ピラティスにおけるエロンゲーション(イロンゲイション)とは?

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ピラティス用語に「エロンゲーション」という言葉があります。

エロンゲーションとは、英語のelongation(伸張)の略で、「背骨を長く伸ばす」という意味になります。


本来は、アメリカ英語の発音だと「イロンゲイション」、イギリス英語だと「イーロンゲイション」と発音するため、ピラティススタジオBBのインストラクターには、海外の会員様にも理解していただけるように、「エ」ではなく「イ」で、「ゲーション」ではなく「ゲイション」と発音するように研修しています。

https://eow.alc.co.jp/search?q=elongation


「背骨を伸ばす」「軸を伸ばす」という意味の「axial elongation(アクシャル・イロンゲイション)」や「AE」という用語を使う場合もありますが、こちらの記事では、イロンゲイション」という表記で統一します。

イロンゲイションにおいては、意識するべきポイントとしては、「頭頂部と坐骨で引っ張り合う感覚」で背骨を引き伸ばすことです。

もし、この記事を椅子に座って読んでいただいているのであれば、

① まずは左右の坐骨が均等に乗っていることを確認し、
脳天が天井から数ミリ引っ張られるように引き伸ばし、
③ さらにおへそを上に引き上げる意識を追加する

とイロンゲイションは成功です!

このイロンゲイションの意識は、垂直方向に限らず、背骨をどの方向に動かす時にも大切になります。

例えば、下記のエクササイズはピラティスチェアーによるマーメイドは「側屈」という動作が入る代表的なエクササイズになります。


この際、手を挙げている左側の脇腹は普通に伸びますが、できるだけ右側の脇腹も長く伸びるような意識を保つことで、背骨全体がきれいに側屈できます。

脇腹が潰れた状態での側屈は、「クラッシュ(潰れる)」と言ったりしますが、アウターマッスルが優位にはたらき、ピラティスで本来得たい「インナーマッスルとアウターマッスルが協調して機能する」という動きを獲得できません。

では、そもそも「なぜ、ピラティスでイロンゲイションの意識を持ちながら身体を動かすのか?」ですが、もちろん背骨自体は伸びません。

しかし、背骨と背骨の間には椎間板という軟部組織があります。

椎間板は、背骨(椎骨)と椎骨の間にあるクッションの役割をする組織で、中心部にはゼリー状の髄核とそれを取り囲む線維輪で構成されており、背骨に伝わる衝撃を吸収する役割を担っています。

イロンゲイションを意識して動くと、まさに椎間板をはじめとする軟部組織をほんの少し引き伸ばす効果があり、逆にクラッシュ状態で動くと、片側の椎間板を潰すような力が加わります。


・「ピラティスをすると姿勢が良くなる」
・「ピラティスをすると身長が伸びる」
という効果は、このイロンゲイションに基づいた動きが基となっています。

逆に言えば、リフォーマーなどのピラティスマシンでいくらエクササイズをしていても、このイロンゲイションの意識がない状態で動いていれば、何ら他のフィットネスと変わり、ピラティスの効果を得ることはできません。

パーソナルのピラティスが高い効果を発揮するのは、インストラクターのキューイングによりクライアントのイロンゲイションを導き出し、仮にクラッシュしているような動作があれば、それを改善するように修正することができるからです。

このような「捻り」の動作の時にも、なるべく背骨を長く保ち、脳天から伸びる意識を保ちつつ動くことが大切です。

また、冒頭で紹介した「椅子に座った状態でのイロンゲイション」をデスクワーク時にたまに意識していただくだけで、姿勢の悪化は防げます。

そう。ピラティスで得た知識や経験はスタジオや自宅レッスンだけではなく、日常生活や仕事中でも活かせるのです。


このような「伸び動作」をする時にも、「上に伸ばすだけではなく、少し坐骨方向へ伸ばす意識を追加してみる」というアプローチも良いですね。

ぜひ、この記事を読んだ皆様は、この「イロンゲイション」を日常生活の中に取り入れてみてください!

ピラティススタジオBB