リフォーマーの次に有名な、トラピーズテーブル。別名キャデラックと呼ばれていますが、こちらもピラティススタジオでは重要な役割を果たしているピラティスマシンです。
ピラティスのレッスンをさせていただく際に、リフォーマーが最も適していると思うムーブメントは6〜7割くらいで、その他のピラティスマシンが3〜4割を埋めてくれるというイメージです。
マットやリフォーマーと比較すると以下のようなチャートとなります。
一言で書くと、トラピーズテーブルは、初心者用と上級者用の両極端なエクササイズが多いです。
まず、マットピラティスは、これはヨガも同じようなことが言えますが、自分自身で身体をコントールしなけばいけないため、意外と難しいです。当然ながら、身体を痛めてしまうリスクもあります。
一方、リフォーマーはオールマイティ。スプリングの設定や、セッティングによって、初心者用にもアスリート向けにもできるため、マットピラティスよりも難易度の設定の幅が広がります。
そして、トラピーズテーブルは、種目にはよるのですが、ベッドの同じような高さに設定されており、リフォーマーよりもさらにリハビリよりのエクササイズや初心者よりのエクササイズが可能となります。
リフォーマーは、仰向けやうつ伏せ、横向きになった際に寝る面が狭いですが、トラピーズテーブルの場合は、ベッタリ寝た状態からの動きが可能です。
一方で、懸垂の動作が必要だったり、逆立ちのような動作があったりと、アクロバティックなピラティスムーブメントが用意されてります。
身体操作性を上げるのにぴったりですし、非日常的な体験も相まって、「大変だけど、楽しい」やった感と満足感のあるエクササイズとなります。もちろん、アスリートへのピラティス指導の際にも多く用いいます。
そももそ、トラピーズテーブルは、ピラティスマシンの元祖のようなもの。
ジョセフ・ピラティスが、第一次世界大戦で捕虜になっていた際に、特別捕虜のような身分で、医療用ベッドにスプリングをつけてエクササイズ指導をしていたものが原型です。
実際には、1950年代半ばから1960年代初頭にかけて改良をして完成させていき、現在のトラピーズテーブルの形になりました。
「trapeze(トラピーズ)」というのは、空中ブランコとして知られるサーカスの道具のこと。
ジョセフ・ピラティスが、若かりし頃にサーカス団に所属していた経験がもとになり、医療用ベッドに金属製のポールを組み立て、そこからtrapezeを吊り下げる、というアイディアに至ったことは想像に難くありません。
ご本人は、当時の高級車であったキャデラックにちなんで、Caddilacと名付けましたが、さすがに商標権の問題で、今はトラピーズテーブルと言われることの方が多いと思います。
昔の車は角ばっていましたので、そのイメージだったんでしょうね。
ピラティスに歴史あり!
このような背景を知っていただくことで、よりピラティスに親しみを感じていただけると嬉しく思います。
ピラティススタジオBB