【解説】美脚のためのホームピラティス

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YouTubeショートや、インスタグラムにおいて、「世界一簡単にできる脚やせピラティス5選」と題して、20秒程度の動画を公開しました。


「世界一簡単か?」はさておき、それぞれのムーブメントにおいて、目的や注意ポイントが異なりますので、こちらにて解説をさせていただきます。

テーブルトップ・インナーサイ

「テーブルトップ・インナーサイ」というは、テーブルトップポジションを取ってから、両足を外側に開いて、閉じてを繰り返すエクササイズです。

ピラティスにおけるテーブルトップとは、「骨盤をニュートラルポジションに保った状態で、股関節と膝関節を90度に曲げ、天井と平行になっているポジション」のことを言います。

テーブルトップとは、机の天板のこと。上の写真でいうと膝下の部分が天井と並行になっており、ここが天板部分なわけですね。

このテーブルトップポジションから、両足を開きますが、この時に腰が反りやすくなるので、「これ以上開いたら、腰が反ってしまいそう」というギリギリのところまで開いて、その位置から閉じるという動きをします。

スピード的には、「1・2・3」または「1・2・3・4」くらいのスピード感でで吸いながら開いて、「1・2・3」で吐きながら閉じると良いです。

この腰を反らないようにするために、腹横筋や先日にも解説をした「外腹斜筋の外側線維」を含めた腹筋群が働きます。開くときにも閉じるときにも内転筋が働きますが、「脚の重さ」がほどよく「股関節のインナーマッスル」にも刺激が入ります。

「テーブルトップ・インナーサイ」の主な効果
・体幹の安定強化
・股関節周囲のインナーマッスルの強化・調整

日常生活では、例えば歩いたり走ったりするだけでは、これほどまで股関節を外旋することはありません。

しかし、脚の重さ、いわゆる自重のため、股関節に何らかの違和感や痛みを持っていたり、疾患がないのあれば、怪我のリスクは少ないため、非常に優れた「プレ・ピラティス」エクササイズとなります。

股関節の内旋筋にも外旋筋に、適度な刺激やストレッチが入るのです。明らかな「美脚ピラティス」ですね!

アダクター・ブリッジ

続いて、「アダクターブリッジ」です。

こちらのスタートポジションは、仰向けで寝て両脚をくっつけた状態から、外側に開いた(外旋した)状態がスタートポジションです。可能な限り骨盤もニュートラルポジションを取ります。

このスタートポジションから、足を閉じながら(内旋しながら)お尻をあげ、膝と膝をくっつけていきます。お尻をあげるときには、アーティキュレーティングでもストレート(体幹を一直線)でも良いですが、最初はストレートで上げた方が効きがよいかもしれません。

少し腰を反りやすいムーブメントのため、「骨盤の後傾」を意識しながら上げていくと良いでしょう。お尻も高く上げすぎる必要はありません。

テーブルトップ・インナーサイの動きとブリッジの動きが組み合わさることで、「お尻を鍛えながら、股関節周りの筋肉の調整をしていく」という効果が生まれます。

「アダクターブリッジ」の主な効果
・大臀筋の強化
・股関節周囲のインナーマッスルの強化・調整

上記のような動きは、通常の「マットピラティスの資格養成」などでは学ばないため、インストラクターの引き出しとして持っていないことが多いです。

通常のアーティキュレーティングブリッジなどに比べて意識するポイントが増えますが、「股関節の外旋・内旋」をする機会を増やすことのメリットは美脚効果を狙う上では効果の高いアプローチと言えます。

インナーサイリフト

続いて、「インナーサイリフト」。

先ほども出てきたインナーサイという言葉ですが、「インナー=内」「サイ=腿」ということで、内腿のことですね。それをリフトするから「インナーサイリフト」。

こちらは、ポジションを保つのが少し難しいですが、下記のようなスタートポジションを取ります。

肘をつき前腕でマットを抑えることによって、「前鋸筋」という筋肉を軽く働かせます。その上でなるべく下の脇腹を高い状態で保ち、同時に伸ばしていきます。下半身は、上の脚で下の脚を前の方に跨ぎ、脚の裏の全面を床に置きます。後ろの脚は伸ばしたままにします。

この時、骨盤が後ろに倒れやすいので注意しましょう。

スタートポジションが取れたら、下の脚を上げます。この時に意識するポイントとしては、

・体幹と上半身がぶれないようにする
・股関節の付け根から、または踵から上げるようにする
・下の脚は遠くに伸ばした結果上がっていくというイメージ

などです。

つま先から上げるイメージなどを持つと「内腿に効く感じがしない」となりやすいですし、高くあげようとせず、脚を長く保ったまま、という意識を持つとよいでしょう。

こちらも、内転筋とともに、体幹の安定性へのチャレンジとなります。

「インナーサイリフト」の主な効果
・腹斜筋群の強化、前鋸筋の強化
・内転筋の強化


フロッグ

続いて「フロッグ」。

ピラティスにおいては「フロッグ」というエクササイズがたくさんあるため「スーパイン・フロッグ(仰向けカエル)」などとしても良いのですが、面倒なので「フロッグ」としておきます。

こちらのスタートポジションは、テーブルトップに見えますが、


実際は股関節をやや開いた状態がスタートです。この時も腰が反らないように気をつけます。


ここから、両足を伸ばしていき、元の場所に戻すというのを繰り返します。

こちらも、テーブルトップ・インナーサイと同様に、脚を伸ばすさいに腰が反りやすくなるので、腹筋群でニュートラルをキープするように抑えていきます。

それほど内転筋に効く感覚はないと思いますが、より深部である「骨盤底筋群」などへの刺激が入ります

ピラティススタジオなどで「骨盤底筋群の意識の仕方」などを学んだ方は、特に脚を伸ばしている最中に意識してみると、効いている感じが分かると思います。(←少しマニアックです)

また、マシンピラティスのようなサポートがない分、「自分自身の脚がどこに位置しているのか」というセンサーをうまく働かせる必要がありますが、これにより「固有受容感覚」が高まります。

「フロッグ」の主な効果
・体幹の安定強化
・骨盤底筋群の調整

地味エクササイズですが、内腿やお尻に効かせるだけが美脚につながるわけではないので、丁寧に動いたり意識をすれば、とても効果のあるエクササイズと言えるでしょう。


クローズドブリッジ

最後に紹介するのが、「クローズドブリッジ」です。

こちらは、いわゆる「脚を閉じたままのショルダーブリッジ」と説明すれば一言で終わるエクササイズです。

ショルダーブリッジは、脚の位置は思ったよりお尻に近い位置にしましょう。脚をお尻から離せば離すほど、裏腿やふくらはぎに効いてしまいます。

あえて裏腿に聞かせたい場合は、脚の位置をお尻から離した方が聞きますが、「美脚・美尻」を目的にするなら、この動きでは、お尻の下側に効かせるのが良いと思います。


そして、スタートポジションから、アーティキュレーティングで、またはストレートでお尻をあげていきます。

こちらのエクササイズは、「股関節の内転と伸展」という動きがメインのため、「大臀筋の下部線維」が働きやすく、「お尻と裏腿の間の肉のたるみ対策」として有効です。

また、お尻を上げたときに、しっかりと両足が全体で床やマットを押せているかも確認してみましょう。下腿(すね)が床と垂直であると足全体で押しやすいため、そのためにもスタートポジションで「足と踵の間を近づけ気味にしておく(足一つ分よりやや狭く)」すると良いと思います。

「クローズドブリッジ」の主な効果
・大臀筋の強化(特に下部線維への刺激)
・脊椎の柔軟性向上(アーティキュレーティング時)


なお、今回は写真による解説はありませんが、「脚を開いてのヒップリフト動作」は大臀筋の上部線維に効きやすく、下部線維よりも「効いている感」が出やすく、初心者にとっては分かりやすいエクササイズになります。


はい。

ここまで、美脚のためのホームピラティス5選を紹介させていただきました。

それぞれのムーブメントには、それぞれ気をつけるべきポイントや、効果が存在しています。

この解説では、多少解剖学的な解説はいれつつも、ある程度は噛み砕いて説明をさせていただいたつもりです。

これからも、YouTubeショートやインスタグラムなどで、エクササイズ動画を紹介していきますんで、たまにチェックいただき、こちらのトピックでの解説なども参考にしていただければと思います。

こちらのトピックでは、引き続き「世界一わかりやすい、ピラティスの動画解説」をご紹介していきますので、定期的にチェックいただければ幸いです。

ピラティススタジオBB



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