以前の記事では、現代人に多いスウェイバック姿勢の人たちの筋肉のアンバランスの特徴して「外腹斜筋が長い状態である」ことについて触れました。
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ゴムが伸び切っていると力が発揮されないのと同様、筋肉が標準よりも常に長い状態である場合、筋力が適切に働きにくい状態になっていると言えます。
と同時に、スタイルにも影響をします。下の図を見て下さい。
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同じ体脂肪率であっても、姿勢が違うと、お腹のぽっこり具合が全く違います。
不良姿勢による腹斜筋群の長さのアンバランスは、「筋力発揮」においても「見た目」においても悪影響を及ぼします。
同時に、仮に体脂肪が落ちなくても、「姿勢が改善することで、見た目が明らかに変わる」ということが、上の図からわかるのではないでしょうか?
スウェイバックだけではなく、反り腰の姿勢も、お腹がぽっこりに見えるのも分かりますね。
さて、このような反り腰やスウェイバック対策のエクササイズとしては、ピラティスでニュートラルポジションを意識してエクササイズすることで、かなり改善されていきます。
このニュートラルポジションについては、別の記事にまとめることとしますが、本記事では敢えて「骨盤後傾」をしながらのエクササイズを紹介します。
ヒールスライド with 骨盤後傾
まずは、両膝を立てて曲げてください。このポジションは、フックライイング・ポジションと言います。
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この「ニュートラルポジション」から頭の位置は変えずに、骨盤を後傾させることで、腰とマットの隙間を完全に埋めるようにします。
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「おへそをみぞおちの方へ近づけ、同時に坐骨を踵に近づけることで、結果的に背骨全体がマットについている」と、外腹斜筋が活性化された状態での骨盤後傾が可能となります。
この骨盤後傾を保ったまま、片脚を伸ばす、ヒールスライドを行います。
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そして、そのまま、戻すという動作を繰り返します。
改めて、まとめると以下のようになります。
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ピラティスレッスンでは、通常は「ニュートラルポジション」と呼ばれる姿勢でエクササイズをすることが多いと思います。
しかし、このエクササイズでは、あえて骨盤を後傾することで、反り腰の方はもちろんのこと、スウェイバック姿勢の改善にもつながります。
最近では、余りにも「ニュートラルポジションばかり」が強調されすぎています。
こちらの記事を読んでいただいている9割くらいの方は、「ニュートラルでのヒールスライド」を実践されたことがあると思います。
しかし、「丁寧に骨盤後傾位を作ってのムーブメントで姿勢改善に役立つエクササイズ」も、実際には多くあります。
少しだけ、解剖学的な解説をすると、イロンゲインションを伴った骨盤後傾をする際には、左右の外腹斜筋の外側線維が同時に働きます。
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外腹斜筋の外側線維は腹斜筋群の中でも、下部に位置しています。
反り腰の方はもちろん、スウェイバック姿勢の方も、日常生活や運動動作時に外腹斜筋の外側線維がうまく働いていない傾向があるため、「ピラティスによる骨盤後傾と、それに伴う簡単な動作」でスイッチを入れることが可能です。
外腹斜筋の外側線維にスイッチを入れることで、姿勢改善にもつながっていきますので、今回は「骨盤後傾でのヒールスライド」を初級編として紹介しました。
と、ここまで書いてきましたが、実際には現場では「骨盤後傾と骨盤ニュートラルの2種類のヒールスライドを使い分ける」ことをお勧めしています。
「反り腰だから骨盤後傾のエクササイズ多め」
「スウェイバックだからニュートラルのエクササイズ多め」
というピラティスレッスン・自宅ワークだけではなく、たまに自宅で取り組んでいただくことで、自身の身体に対する「内観力」があがり、真の意味でのピラティスの効果を得ることができます。
例えば、こちらのエクササイズを社内研修中で、とあるスタッフは、
「腸腰筋が伸びる〜!」
と言っていました。
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上記のエクササイズで「骨盤後傾位で小転子の位置が少しずつ離される」ことによって、大腰筋が伸びる感覚が出る方もいると思います。(全員が全員伸びる感覚がなくて大丈夫なエクササイズです)
と、少々小難しいことも書きましたが、怪我のリスクがほぼないエクササイズですので、ぜひ取り組んでみてください。
「考える前に動け!」
ということで、今日もピラティスライフをお楽しみください。
ピラティススタジオBB
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