スウェイバック姿勢のエクササイズ ー初級編

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以前の記事では、現代人に多いスウェイバック姿勢の人たちの筋肉のアンバランスの特徴して「外腹斜筋が長い状態である」ことについて触れました。

Kendall’s Muscles: Testing and Function with Posture and Pain(Fifth Edition)より一部改変


ゴムが伸び切っていると力が発揮されないのと同様、筋肉が標準よりも常に長い状態である場合、筋力が適切に働きにくい状態になっていると言えます。

と同時に、スタイルにも影響をします。下の図を見て下さい。

Kendall’s Muscles: Testing and Function with Posture and Pain(Sixth Edition)より一部改変


同じ体脂肪率であっても、姿勢が違うと、お腹のぽっこり具合が全く違います。

不良姿勢による腹斜筋群の長さのアンバランスは、「筋力発揮」においても「見た目」においても悪影響を及ぼします。

同時に、仮に体脂肪が落ちなくても、「姿勢が改善することで、見た目が明らかに変わる」ということが、上の図からわかるのではないでしょうか?

さて、このようなスウェイバック対策のエクササイズとしては、ピラティスでニュートラルポジションを意識してエクササイズすることで、かなり改善されていきます。

このニュートラルポジションについては、別の記事にまとめることとしますが、本記事では敢えて「骨盤後傾」をしながらのエクササイズを紹介します。

ヒールスライド with 骨盤後傾

まずは、両膝を立てて曲げてください。このポジションは、フックライイング・ポジションと言います。

クライアント役は腹横筋の収縮チェックをしているが、今回は手はお尻の横でも良い

この「ニュートラルポジション」から頭の位置は変えずに、骨盤を後傾させることで、腰とマットの隙間を完全に埋めるようにします。

「おへそをみぞおちの方へ近づけ、同時に坐骨を踵に近づけることで、結果的に背骨全体がマットについている」と、外腹斜筋が活性化された状態での骨盤後傾が可能となります。

この骨盤後傾を保ったまま、片脚を伸ばす、ヒールスライドを行います。

そして、そのまま、戻すという動作を繰り返します。


改めて、まとめると以下のようになります。


ピラティスレッスンでは、通常は「ニュートラルポジション」と呼ばれる姿勢でエクササイズをすることが多いと思います。

しかし、このエクササイズでは、あえて骨盤を後傾することで、反り腰の方はもちろんのこと、スウェイバック姿勢の改善にもつながります。。

と、ここまで書いてきましたが、実際には現場では「骨盤後傾と骨盤ニュートラルの2種類のヒールスライドを使い分ける」ことをお勧めしています。

最近では、余りにも「ニュートラルポジションばかり」が強調されすぎています。

こちらの記事を読んでいただいている9割くらいの方は、「ニュートラルでのヒールスライド」を実践されたことがあると思います。

しかし、「丁寧に骨盤後傾位を作ってのムーブメントで姿勢改善に役立つエクササイズ」も、実際には多くあります。

そのため、今回は「骨盤後傾でのヒールスライド」を初級編として紹介しました。

「骨盤後傾位のエクササイズでも、スウェイバック姿勢に良い」解剖学的理由も説明したいところですが、話が拡散し過ぎてしまうので、今日はこの辺で。

ピラティススタジオBB