前回の「自宅でできるプレピラティス-巻き肩編」に続き、今回は「自宅でできるプレピラティス-美脚編」について触れたいと思います。
こちらのトピック記事では、「なぜ、紹介している動画が美脚につながるのか?」ということを知りたい方向けの記事ですので、「あまり深く考えずに美脚になりたい!」ということであれば、以下の動画を真似するだけで大丈夫です!
さて、まず動画では、最初に「前腿がパンパンだからと言って、前腿をストレッチするの止めてください」という文言から始まります。
誰しもがやったことがある、以下のストレッチ。
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「全く効果がない」というわけではないのですが、伸ばそうとしている右脚側の膝が浮いてしまい、結果的に前腿の筋肉をうまく伸ばしきれません。
同時に、右脚がやや外側に逃げているため、一番張りやすい外腿も伸ばせていません。
また、そもそも膝の半月板を損傷するリスクもありますし、腰にも負担がかかります。
前腿ストレッチ(仰向け)のデメリット
【効果が薄い】
・膝が浮き、前腿が伸びにくい
・外側に逃げるため、外腿が伸びにくい
【怪我のリスク】
・半月板を痛めるリスクがある
・腰の反りが強くなり、痛めるリスクがある
横で寝た状態での前腿ストレッチは、「骨盤の後傾」がうまく出来ればしっかり伸びてくれますが、仰向けでの前腿ストレッチは、メリットよりデメリットが強いです。
また、前腿や外腿がパンパンになりやすい人で、「フォームローラーでゴロゴロ」して筋膜リリースをする人もいると思いますが、これもそれほどおすすめしません。
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お勧めしているトレーナーの動画などもたまに見かけますが、「イタ気持ち良い」からといって体重をかけてゴリゴリやりすぎると、組織の炎症につながりますし、そもそもの根本解決につながりません。
前腿や外腿パンパンの原因は、前腿・外腿を日常生活で過剰に使ってしまっているから。
これは、うまく股関節やお尻の筋肉が使えていないからに他ならず、ここにアプローチしないと、すべてが「対処療法的」になってしまうのです。
股関節がうまく動けば、前腿や外腿の張りは消えていく
ピラティスを数回しただけで、前腿や外腿の張りが消え美脚になるには、ほぼほぼ「股関節がうまく働くようになるから」なのです。
そこで、今回は動画で3つのエクササイズを紹介させていただきました。
1. 足首コロコロ
1種目目は、足首コロコロです。
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エクササイズとしては、
1. 椅子に浅く座り、両手を骨盤に添える
2. 片脚を斜め前に出す
3. 股関節の付け根から内側を意識してコロコロ動かす
となります。
足首コロコロは、股関節の内旋と外旋という動きをスムーズに引き出せます。
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つま先が内側が向くときに股関節は内旋、つま先が外側に向くときには股関節は外旋しますが、歩く、階段を登るなどの動作時に、もちろん微妙に股関節内旋・外旋の動きはあるのですが、屈曲(脚を前に出す方向)・伸展(脚を後ろに蹴る方向)の動きよりはダイナミックではありません。
足首コロコロは、優しくもダイナミックに股関節を内外旋することで、股関節周りのインナーマッスルが活性化すると同時に、裏腿の外側がストレッチされます。
「股関節の付け根から動かす」という感覚もわかりやすいエクササイズになります。
2. あぐらストレッチ
2種目目はあぐらストレッチです。
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エクササイズとしては、
1. 椅子に浅く座り両手を骨盤に添える
2. 片方の外くるぶしを反対側の膝の上に乗せる
3. 背筋を伸ばし、体を前に傾けて戻すを繰り返す
となります。
動画内でも解説されていますが、長時間座っていると硬くなりやすい「梨状筋」などのストレッチになり緩みます。
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梨状筋は、坐骨神経が骨盤から足に向かって通る際にトンネルの役割を果たしています。
そのため、梨状筋が硬くなると坐骨神経を圧迫し、お尻から足にかけて痛みやしびれが生じる「梨状筋症候群」を引き起こす原因になります。
しびれまで出なくても、腰痛の原因になる場合もあります。
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また、梨状筋に限らず、股関節を外旋させるインナーマッスルがうまく働かないことで、前腿や外腿のアウターマッスルが過剰に働くことで、脚に張りが出やすくなりますので、この「あぐらストレッチ」を習慣化させることで、美脚効果が期待できます。
3. 股関節ぐるんぐるん
3種目目は股関節ぐるんぐるんです。
ぜひ、こちらのエクササイズは取り組んでほしいです。
マットピラティスの弱点として、「安全に股関節の内旋を促すエクササイズが少ない」というものがあります。
もちろん、人工股関節などをされている方やご高齢の方などは、色々と気をつける必要がありますが、そうでないのであれば、ぜひ積極的に取り入れていただきたいです。
ただし、上2つよりはやや複雑な動きですので、もし分かりにくければ、ページ上記にある動画をご確認ください。
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エクササイズ順は以下の通りです。
1. まずはうつ伏せに寝て、おでこの下に手を置く。上半身はリラックス。
2. 脚を外側に開く(股関節を外旋させる)
3. 元に戻す(一瞬リラックス)
4. 膝を曲げ
5. 足を外側に倒す(股関節を内旋させる)
足首コロコロとあぐらストレッチで、股関節のインナーマッスルを活性化したり、ストレッチした状態から、脚の重さを借りつつ、股関節の内旋や外旋、屈曲や戻すなど、複合的な運動となります。
この際に骨盤も軽く動くと思いますが、この振動自体も骨盤や股関節周りの小さな筋肉をほぐす効果(モビライゼーション効果)もありますので、自然な動きに委ねてください。
4. セルフチェック
3つのエクササイズを終えてから、股関節の動きを確かめてみてください。
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もちろん、エクササイズ前後で股関節の動きを確認すると、エクササイズ前後の違いがより分かりやすくなります。
冒頭にも書きましたが、股関節の動きが良く慣れば、自ずと前腿や外腿を無駄に使い、疲労するよなことも減っていきます。
結果的には、張りが減ったり、余計な筋肉がつききにくくなります。
ピラティス自体は、美脚効果がとても高いメソッドです。
2024年12月のトピック記事でも紹介しましたが、20回のピラティスセッションでも、以下のように脚がすっきりしてヒップアップ効果が写真レベルでわかる位になります。
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週1回のピラティスの効果をさらに高めるために、ご自宅でのホームエクササイズとして、上記の取り組みを1ヶ月くらい続けてみてください。
きっと、無駄な力が抜け、脚がすっきりしてくると思いますし、股関節がうまく働くことで、脚のむくみに悩んでいる方は、そのお悩みが解消される可能性もあります。
上記のエクササイズは、ピラティススタジオBBの仙台泉スタジオや三軒茶屋スタジオで多く実施している「やまおく体操」からご紹介しています。
皆様、ぜひ取り組んでみてください。
ピラティススタジオBB
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